休業損害④~給与所得者の休業損害~

2023年12月13日 カテゴリー:休業損害

交通事故に遭い、身体に怪我を負ってしまうと仕事を休まざるを得ない場合があります。その場合、相手からは休業損害を支払ってもらえますが、どのような休業損害が支払ってもらえるのか、算定方法にはどのようなものがあるかなど実は多くの問題があります。
今回は、事故被害者の大半を占める給与所得者の休業損害について説明いたします。
まず、休業損害を請求するためには、休業に伴って給与所得の減少が無くてはなりません。公務員の病気休暇のように、事故による怪我で仕事を休んでも、会社(国など)から給与が支払われる場合には、休業はあるが「損害」がないとして休業損害が請求できません。
次に、給与所得者は、基本的に会社に休業日、事故3か月前の給与支給状況、給与の支給の有無などの休業情報について、「休業損害証明書」を作成してもらいます。休業損害証明書の記載方法で注意が必要なのは、仕事を休んだ場合、有給で休んだ場合でも賠償請求の対象になるため、有給を利用して休んだ場合には会社にその旨の記載をしてもらう必要があります。また、会社は事故による休業をした期間、事故とは関係ない理由で休業した場合でも休業損害証明書に「事故による休業」として記載してしまう場合もあります。そのため作成された休業損害証明書はきちんと確認しないと、私的な休暇を事故の休業損害として請求してしまい不要な誤解を招いてしまうケースもあります。
給与所得者の休業損害の計算自体は、休業損害=休業日額×休業日数と表せますが、この休業日額の算出方法については複数の考え方があります。
保険会社は、「休業損害証明書」記載の3か月の「基本給」と「付加給」部分の合計額を「90日」で割って(除して)1日の基礎収入額を算出してきます。しかし、この計算方法は、基本的には妥当ではないです。
3か月間の総収入を、「90日」で割ってしまうと、仕事をしていない休日も含んで1日の単価を算出されてしまいます。労働契約上、休日は労働義務を免除され、実労働日を対象に給与が支払われているため基本的には、3か月の総収入を「実労働日」で割ることが妥当です。
具体的な例でみてみますと、10月1日に事故に遭い、10月31日まで仕事を休みました。この方は、事故前3か月の7月8月9月の給与総額が90万円、土日祝が休みの方なので7月8月9月の実労働日が60日、10月の実労働日は21日(休業日)となります。
   保険会社計算 90万÷90日=1万円/日額
          1万円×21日=21万円
   弁護士計算  90万÷60日=1万5000円/日額
          1万5000円×21日=31万5000円
このように、休業損害については保険会社と弁護士の計算で約1.5倍程度の違いが出てしまいます。
保険会社は、支払が少ない方がよいので決して弁護士が採用する計算方法に準拠して提案することはありません。知らないと休業損害で損をしてしまうかもしれません。そのため事故にあって休業損害が気になる方は、静岡の交通事故に強いHOPE法律事務所にご相談いただくのをお勧めいたします。