ドライブレコーダー等の証拠は過失割合に関係する?
2025年8月20日 カテゴリー:交通事故

ドライブレコーダーの設置率は年々増加しており、最近の調査では50%を超えています。当然のことですが、ドライブレコーダーを設置する目的は、交通事故やトラブルが起こったときの状況を記録しておくことです。
それでは、実際に交通事故が起こった場合に、ドライブレコーダーは過失割合を認定する証拠となるのでしょうか?
この記事では、ドライブレコーダーが証拠になるのか、過失割合にどのような影響を与えるのか、ドライブレコーダーを利用する際の注意点などを解説します。
そもそも交通事故における「証拠」とは?
交通事故の裁判で「証拠」として利用できるのは、証拠能力が認められるものだけです。交通事故を取り扱う民事裁判の場合、基本的に証拠能力が制限されることはありません。ただし、不正な手段で入手した証拠については証拠能力を否定されることがあります。
また、裁判における「証拠」については、証拠として利用できるか否かという証拠能力に加えて、証拠としてどの程度の価値があるかという証明力も問題となります。一般的には、虚偽や付け加えの表現が加わりやすい証言よりも、客観的な物証の方が証明力が高いです。
次の項目では、ドライブレコーダーの証拠能力と証明力について、それぞれ詳しく解説していきます。
ドライブレコーダーは「証拠」になる?
ドライブレコーダーは、交通事故の場面を客観的に記録した資料であり、不正な手段で入手した証拠とは言えないため、基本的には証拠能力が認められ、裁判の証拠として利用できます。
また、ドライブレコーダーは、交通事故の状況を客観的に記録した証拠であるため、一般的には目撃者の証言よりも証明力が高い証拠として取り扱われます。ただし、ドライブレコーダーの設置状況や事故の衝撃などが原因で、事故の場面が明確に記録されていない場合、証明力は低いものとして扱われることもあるでしょう。
また、ドライブレコーダーの映像を編集すると、都合の良い形で加工したのではないか、有利な部分だけを切り取ったのではないかなどと疑われて、証明力が低い証拠となってしまう可能性もあります。そのため、ドライブレコーダーを証拠として利用する場合は、編集せず、そのまま利用すべきです。
ドライブレコーダーが過失割合に与える影響
先ほども説明したとおり、ドライブレコーダーは交通事故の状況を客観的に記録した証拠です。そのため、事故の状況が鮮明に記録されたドライブレコーダーの映像は、過失割合の認定に決定的な影響を与える可能性が高いでしょう。
特に、次のようなケースでは、ドライブレコーダーが過失割合の認定における決定的な証拠となる可能性があります。
- 交通事故の状況について当事者間で争いがあるケース
- 当事者が交通事故の状況を説明できないケース
当事者間で事故の状況について争いがない場合には、ドライブレコーダーなどの証拠がなくても過失割合の認定は可能です。
しかし、当事者の主張が食い違っていたり、目撃者の証言や車両の損傷状況だけでは判断が難しい場合も少なくありません。
そのようなとき、事故当時の状況がドライブレコーダーに記録されていれば、客観的かつ決定的な証拠として過失割合の認定に大きく役立ちます。
ひき逃げや当て逃げのケース、被害者が交通事故の状況を説明できないケースにおいても、ドライブレコーダーの映像は、事故の状況を客観的に説明する証拠となります。
ドライブレコーダーを証拠として利用する際の注意点
ドライブレコーダーは過失割合の認定における有力な証拠となり得るものです。ただし、次の2点には注意すべきでしょう。
- ドライブレコーダーの提出義務はない
- 自分の提出した映像が不利に扱われることもある
それぞれの注意点を解説します。
ドライブレコーダーの提出義務はない
ドライブレコーダーの映像を提出するかどうかの判断は、所有者の裁量に委ねられています。相手車両にドライブレコーダーが搭載されており、自分に有利な証拠として利用できると考えられる場合でも、強制的に映像を提出させることはできません。
自分の提出した映像が不利に扱われることもある
自分が提出した映像であっても、必ずしも有利に扱われるわけではありません。
映像に自分にとって不利な場面が記録されていた場合、自分が提出した映像であっても不利な証拠として取り扱われます。また、不利に扱われることを恐れて自分に都合の良い形で編集した映像は、証明力が低くなってしまいます。
ドライブレコーダーの映像を提出する際は、映像をそのまま提出することを前提に、自分に有利な証拠として利用できるかを事前に検討すべきです。
まとめ
ドライブレコーダーの映像は、過失割合の認定において決定的な証拠となることがあります。今後もドライブレコーダーの設置率は増加し続けると考えられますので、現時点で設置していない方は、万が一の事故に備えて設置を検討してみてはいかがでしょうか。
また、ドライブレコーダーの映像を有利な証拠として活用するためには、交通事故に詳しい弁護士への相談がおすすめです。ドライブレコーダーの活用方法を含めた交通事故に関するご相談は、どうぞお気軽にHOPE法律事務所にお問い合わせください。
