後遺障害等級7級とは?認定対象となる症状や賠償金の相場などを解説

2025年8月22日 カテゴリー:後遺障害

後遺障害等級7級とは?認定対象となる症状や賠償金の相場などを解説

交通事故による後遺障害は、症状の重さに応じて1級から14級までに分類されており、数字が小さいほど症状が重くなります。7級はそのちょうど中間に位置する等級で、比較的重い後遺障害が認定されるケースです。

この症状は7級に該当するの?」「7級に認定されたら、どのくらいの賠償金が受け取れるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、後遺障害等級7級の主な症状と認定基準および後遺障害慰謝料と逸失利益について解説します。後遺障害認定の申請を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

後遺障害等級7級の主な症状と認定基準

後遺障害等級は、1級から14級までに分類されており、数字が大きくなるほど症状は軽くなります。7級は、真ん中あたりに位置する等級で、13種類の症状が認定対象とされています。

後遺障害等級7級の認定対象となる症状は、次のとおりです。

後遺障害等級7級に該当する主な症状

  • 1.一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
  • 2.両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  • 3.一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  • 4.神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 5.胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 6.一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
  • 7.一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
  • 8.一足をリスフラン関節以上で失つたもの
  • 9.一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  • 10.一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  • 11.一足をリスフラン関節以上で失つたもの
  • 12.両足の足指の全部の用を廃したもの
  • 13.両側の睾丸を失つたもの

参照:後遺障害等級|自賠責保険・共済紛争処理機構

それぞれの症状について、具体的な内容を解説します。

1.一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの

後遺障害認定における「失明」とは、次のいずれかの状態のことです。

失明の状態

  • 眼球を摘出した状態
  • 光の明暗がわからない、もしくはかろうじてわかる程度の状態

片目が失明状態となり、もう片方の目についてもメガネやコンタクトレンズを装着した矯正視力が0.6以下になってしまった場合、7級1号が認定されます。

さらに、失明していない目の視力が、0.1以下の場合には5級1号、0.06以下の場合には3級1号、0.02以下の場合には2級1号とより重い等級の認定対象となります。

2.両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの

40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度とは、次のいずれかの状態を指します。

40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度

  • 平均純音聴力レベルが70dB以上の状態
  • 平均純音聴力レベルが50dB以上かつ最高明瞭度が50%以下の状態

平均純音聴力レベルとは、どの程度まで小さな音を聞き取れるかのレベルのことです。最高明瞭度とは、言葉をはっきり聞き取れる程度のことです。7級2号での最高明瞭度50%以下とは、40cm以上先の話し声が両耳でも半分以下しか聞き取れない状態のことを指します。

3.一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの

聴力を失った状態」とは、平均純音聴力レベルが90dB以上の状態を指します。90dBとは、たとえばカラオケ店の店内や犬の鳴き声のような大きな音に相当します。このレベルになると、90dB以上の音でなければ聞き取れず、日常生活での会話や環境音がほとんど聞こえなくなるため、聴力を失ったと判断されます

また、「他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度」とは、片方の耳の平均純音聴力レベルが60dB以上であることを意味します。60dBは通常の会話音よりも大きく、たとえば掃除機の音に近いレベルです。

つまり、片耳の聴力を完全に失い、もう片方の耳の聴力も60dB以上の状態となった場合には、後遺障害等級7級3号に該当します。

4.神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

神経系統の機能または精神の障害は、大きく分けて「高次脳機能障害」と、「脳挫傷や脊髄損傷による身体的機能障害」の2つに分類されます。

高次脳機能障害とは、以下のいずれかの能力が大きく損なわれた状態を指します。

高次脳機能に関わる主要な能力

  • 意思疎通能力
  • 問題解決能力
  • 作業負荷に対する持続力・持久力
  • 社会行動能力

これらのうち、2つ以上の能力が相当程度失われている場合は、7級4号に該当します。症状が軽く失われた能力が1つの場合は、9級10号が認定される可能性があります。

7級4号の認定対象となる身体的機能障害の具体例としては、次のものが挙げられます。

7級4号に該当する具体的なケース

  • 片腕および片足に軽度の麻痺がある状態
  • 片腕または片足に中程度の麻痺がある状態

軽度の麻痺がある場合、たとえば文字を書くのが難しくなるといった症状が見られます。中程度の麻痺になると、文字を書くこと自体ができない状態になります。

軽易な労務以外の労務に服することができない」かどうかは、実際にどのような仕事に就けるかではなく、後遺障害としてどのような症状が残っているかによって判断されます。

つまり、高次脳機能障害や身体的機能障害によって、前述のような症状が認められる場合には、「軽易な労務以外の労務に服することができない」状態と判断されるのです。

なお、神経系統の機能または精神の障害については、症状の程度に応じて7級4号のほか、9級10号5級2号などが認定される場合もあります。

5.胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

胸腹部臓器の機能障害とは、呼吸器・循環器・消化器・泌尿器の機能障害のことです。7級4号と同じく、軽易な労務以外の労務に服することができない状態の場合に7級5号が認定されます。

7級5号の認定対象となる症状の具体例は、呼吸困難不整脈排泄障害などです。

症状が軽い場合は9級11号、重い場合は5級3号の認定対象となることもあります。

6.一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの

指を失った」とは、親指については第一関節から先、それ以外の指については第二関節より先の骨から切断された状態のことを指します。

7級6号は、次のいずれかの状態になった場合に認定される等級です。

7級6号に該当する具体的なケース

  • 親指と他にもう2本を失った場合
  • 親指以外の4本を失った場合

片手の指を全部失った場合には、より重い6級8号が認定されます。

7.一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの

指の「用を廃した」状態とは、次のいずれかの状態のことです。

指の用を廃した状態

  • 関節が強直して全く動かせない状態となった
  • 末関節の長さの半分以上を失った
  • 第二関節、第三関節を失った、可動域が1/2以下に制限された

7級7号は、次のいずれかの場合に認定されます。

7級7号に該当する具体的なケース

  • 5本の指が全て用を廃した状態になった
  • 親指と親指以外の3本が用を廃した状態になった

片手だけでなく両手の全ての指が「用を廃した」状態になった場合には、4級6号が認定されます。

8.一足をリスフラン関節以上で失つたもの

リスフラン関節とは、中足骨と足根骨をつなぐ関節のことを言います。足をリスフラン関節以上で失った状態とは、次のいずれかの状態のことです。

足をリスフラン関節以上で失った状態

  • 足根骨以降(リスフラン関節以降)で足が切断された状態
  • 中足骨と足根骨が切り離された状態

中足骨と足根骨が切り離された状態とは、足が切断されていなくても関節が切り離されたことで足として機能しない状態のことです。

足を失うことによる後遺障害については切断された箇所によって分類されており、足関節で切断された場合には5級5号、膝関節で切断された場合には4級5号の認定対象となります。

9.一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

偽関節とは、骨折した部分が元どおりに癒着せず、癒着しなかった部分が関節のように不自然に動いてしまう状態を指します。このような状態になると、本来は動かないはずの部位がグラグラと動くようになります。

著しい運動障害」とは、偽関節が残り、常に硬性補装具で患部を固定しなければならない状態をいいます。なお、硬性補装具とは、偽関節による異常な動きを抑えるために使用する固定装具です。

一方、偽関節があっても、常に硬性補装具を必要としない場合には、後遺障害等級8級8号の認定対象となります。

10.一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

大腿骨や脛骨などの下肢に偽関節が残り、著しい運動障害が残った場合には、7級10号の認定対象となります。

7級9号と同様に、常に硬性補装具による固定が必要と言えない状態の場合には、より軽い8級9号の認定対象となります。

11.両足の足指の全部の用を廃したもの

指の「用を廃した」の意味は、手の指の7級7号と同様です。両足のすべての指が「用を廃した」状態になった場合、7級11号が認定されます。

12.外貌に著しい醜状を残すもの

外貌」とは、頭や顔、首など日常的に露出されている箇所のこと、「醜状」とは、火傷や手術痕などの傷跡のことを言います。

7級12号の認定対象となる著しい醜状とは、次のいずれかの症状のことです。

著しい醜状に該当する状態

  • 顔面部に鶏の卵以上の大きさの瘢痕または10円玉以上の大きさの組織陥没が残る状態
  • 頚部に手のひら以上の大きさ(指は含まない)の瘢痕が残る状態
  • 頭部に手のひら以上の大きさの瘢痕または頭蓋骨に手のひら以上の大きさの欠損が残る状態

外貌に残る醜状は、その部位や程度によって、12級14号9級16号など、別の等級が認定される可能性もあります。

13.両側の睾丸を失つたもの

両側の睾丸を失った状態とは、両側の睾丸を失って完全に生殖機能を喪失した状態を指します。

7級13号は、両側の睾丸を失った場合以外にも、生殖機能を喪失した場合全般に準用されます。具体的には女性が卵巣を失った場合や、睾丸が残っているものの精子を作り出せなくなった場合も、7級13号の認定対象です。

後遺障害等級7級の慰謝料・逸失利益

後遺障害等級が認定されると、等級に応じた後遺障害慰謝料と逸失利益の賠償を受けられます。ここでは、後遺障害等級7級の後遺障害慰謝料と逸失利益について詳しく解説します。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、交通事故で後遺症が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料です。後遺障害慰謝料の算定には、次の3つの基準があります。

3つの算定基準

このうち、自賠責基準弁護士基準については具体的な金額が明らかにされています。任意保険基準については算定方法が明らかではありませんが、自賠責基準よりは高いものの、弁護士基準よりかなり低い金額を提案されるケースがほとんどです。

後遺障害等級7級の自賠責基準と弁護士基準での後遺障害慰謝料は、次のようになっています。

それぞれの慰謝料額

  • 自賠責基準:618万円
  • 弁護士基準:1400万円

自賠責基準と弁護士基準との差は、等級が高くなるにつれて大きくなります。7級では、600万円近い差があります。

自賠責保険における慰謝料と逸失利益を含めた賠償金の上限額は1,051万円です。弁護士基準では慰謝料1,000万円に加えて、被害者の年齢や収入に応じた逸失利益を請求できるため、自賠責保険と弁護士基準とでは最終的に受け取れる賠償金に数倍の差が生じることも珍しくありません。

逸失利益

逸失利益とは、後遺障害により将来得られるはずだった収入が得られなくなることに対する損害賠償金です。

逸失利益の計算式は、次のようになっています。

逸失利益の計算式

逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

労働能力喪失率は、後遺障害によって失われる労働能力の割合のことで、等級ごとに目安となる数値が設定されています。後遺障害等級7級の労働能力喪失率は、56%とされています。

なお、等級に応じた労働能力喪失率はあくまで目安となるものなので、同じ後遺障害等級7級でも症状によって数値は変動する可能性があります

労働能力喪失期間は、症状固定日から67歳までの年数で計算します。なお、年長者の労働能力喪失期間は、67歳までの年数と平均余命の2分の1のいずれか長い方の期間です。

まとめ

後遺障害等級7級に該当する症状は、日常生活や仕事に大きな影響を及ぼすことが多く、適切な補償を受けるためには、正確な等級認定と十分な立証が欠かせません。また、保険会社との交渉では、提示された賠償金が本来受け取れる額に満たないケースも少なくありません。

こうした状況を放置せず、早い段階で専門家に相談することが、適正な賠償を得るための第一歩です。

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