後遺障害等級4級とは?認定対象となる症状や基準による賠償金などを解説

2025年8月22日 カテゴリー:後遺障害

後遺障害等級4級とは?認定対象となる症状や基準による賠償金などを解説

交通事故による後遺障害は、症状の重さに応じて1級から14級までに分類されており、数字が小さいほど症状が重くなります。なかでも4級は重度の後遺障害に該当し、7種類の症状が認定対象とされています。

視力障害はどの等級に認定されるの?」「後遺障害4級の賠償金の相場はいくらなの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、後遺障害等級4級の主な症状と認定基準および後遺障害慰謝料と逸失利益について解説します。後遺障害認定の申請を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

後遺障害等級4級の主な症状と認定基準

後遺障害等級は1級から14級までに分類されており、数字が大きくなるほど症状は軽くなります。4級では、7種類の症状が認定対象とされています。

具体的な認定対象は、以下のとおりです。

後遺障害等級4級に該当する主な症状

  • 1.両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  • 2.咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
  • 3.両耳の聴力を全く失つたもの
  • 4.一上肢をひじ関節以上で失つたもの
  • 5.一下肢をひざ関節以上で失つたもの
  • 6.両手の手指の全部の用を廃したもの
  • 7.両足をリスフラン関節以上で失つたもの

参照:後遺障害等級|自賠責保険・共済紛争処理機構

それぞれの症状について、具体的な内容を解説します。

1.両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの

両眼の視力が0.06以下になったもの」とは、両眼での矯正視力が0.06以下になった状態のことを指します。矯正視力とはメガネやコンタクトレンズを装着した視力のことです。矯正用のメガネやコンタクトレンズを装着しても、視力を0.06以上に上げることができない場合、4級1号が認定されます。

視力低下の後遺障害認定を受けるには、事故前と比較して視力が低下したことを証明しなくてはなりません。健康診断や眼科での視力検査結果がない場合、視力低下による後遺障害認定を受けるのは難しくなります。

なお、両目が失明してしまった場合には、最も重い後遺障害等級1級1号が認定されます。

2.咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの

咀嚼機能の著しい障害とは、おかゆや柔らかい麺類程度のものしか咀嚼(噛み砕く)できない状態のことを指します。

言語機能の著しい障害とは、口唇音(ま行、ぱ行など)、歯舌音(な行、さ行など)、口蓋音(か行、や行など)、喉頭音(は行)の4種の子音のうち2種類以上の発音が十分にできない状態のことです。また、4種の子音のうち3種類以上の発音ができても、音をつなげることができず、言葉による意思疎通ができない状態になった場合には、言語機能の著しい障害と認定されます。

咀嚼機能と言語機能の両方に著しい障害が残った場合、4級2号が認定されます。咀嚼機能と言語機能のいずれかに著しい障害が残った場合については、6級2号の認定対象です。

3.両耳の聴力を全く失つたもの

聴力を失った状態とは、平均純音聴力レベルが90dB以上の状態を指します。平均純音聴力レベルとは、聞き取れる音の大きさのレベルのことです。平均純音聴力レベルが90dB以上になると、90dB以上の大きな音でなければ聴き取ることができない状態となり、日常生活ではほとんど音が聞こえなくなります。そのため、聴力を失ったと判断されます。

また、後遺障害等級3級3号では、平均純音聴力レベルが80dB以上で最高明瞭度が30%以下の状態についても、聴力を失った状態としています。最高明瞭度が30%以下の状態とは、聞き取れる音の内容が30%以下の状態のことです。

4.一上肢をひじ関節以上で失つたもの

4級4号は、片方の上肢がひじ関節以上で切断された場合に認定される等級です。片方の上肢がひじ関節より手前で切断された場合には、5級4号の認定対象となります。

5.一下肢をひざ関節以上で失つたもの

4級5号は、片方の下肢がひざ関節以上で切断された場合に認定される等級です。片方の下肢がひざ関節より手前で切断された場合には、5級5号の認定対象となります。

6.両手の手指の全部の用を廃したもの

指の「用を廃した」状態とは、次のいずれかの状態のことです。

指の用を廃した状態

  • 関節が強直して全く動かせない状態となった
  • 末関節の長さの半分以上を失った
  • 第二関節、第三関節を失った、可動域が1/2以下に制限された

両手のすべての指が「用を廃した」状態となった場合、4級6号が認定されます。片手のすべての指が「用を廃した」状態となった場合には、7級7号が認定されます。

7 両足をリスフラン関節以上で失つたもの

リスフラン関節とは、中足骨と足根骨をつなぐ関節のことを言います。足をリスフラン関節以上で失った状態とは、次のいずれかの状態のことです。

足をリスフラン関節以上で失った状態

  • 足根骨以降(リスフラン関節以降)で足が切断された状態
  • 中足骨と足根骨が切り離された状態

中足骨と足根骨が切り離された状態とは、切断されていなくても関節が離れて足として機能しない状態を指します。

片足のみがリスフラン関節以上で失われた場合には、7級8号が認定されます。

後遺障害等級4級の慰謝料・逸失利益

後遺障害等級が認定されると、等級に応じた後遺障害慰謝料と逸失利益の賠償を受けられます。ここでは、後遺障害等級4級の後遺障害慰謝料と逸失利益について詳しく解説します。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、交通事故で後遺症が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料です。後遺障害慰謝料には、次の3つの基準があります。

3つの算定基準

このうち、自賠責基準弁護士基準については具体的な金額が明らかにされています。任意保険基準については算定方法が明らかではありませんが、自賠責基準よりは高いものの、弁護士基準よりかなり低い金額を提案されるケースがほとんどです。

後遺障害等級4級の自賠責基準と弁護士基準での後遺障害慰謝料は、次のようになっています。

それぞれの慰謝料額

  • 自賠責基準:737万円
  • 弁護士基準:1670万円

自賠責基準と弁護士基準とでは、後遺障害慰謝料の金額だけでも1,000万円近い差があります。

自賠責保険における慰謝料と逸失利益を含めた賠償金の上限額は1,889万円です。

弁護士基準では、慰謝料と逸失利益を合わせた金額の上限は設定されていません。後遺障害等級4級の認定を受けた場合、被害者の年齢や収入状況によっては逸失利益だけで数千万円という額になることがあります。

自賠責基準では十分な賠償を受けられないため、後遺障害の認定を受けた際には弁護士への相談をおすすめします

逸失利益

逸失利益とは、後遺障害により将来得られるはずだった収入が得られなくなることに対する損害賠償金です。

逸失利益の計算式は、次のようになっています。

逸失利益の計算式

逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

労働能力喪失率は、後遺障害によって失われる労働能力の割合のことで、等級ごとに目安となる数値が設定されています。後遺障害等級4級の労働能力喪失率は92%です。後遺障害等級4級の症状には極めて重い症状が並べられており、労働能力をほとんど失ったと判断されます。

労働能力喪失期間は、症状固定日から67歳までの年数で計算します。なお、年長者の労働能力喪失期間は、67歳までの年数と平均余命の2分の1のいずれか長い方の期間です。

まとめ

後遺障害等級4級に該当する症状は、日常生活や仕事に大きな支障をきたす深刻なものです。そのため、適切な後遺障害等級の認定と、妥当な賠償金の請求が非常に重要となります。

しかし、後遺障害の申請や賠償交渉は専門的な知識を要するため、ご自身だけで対応するのは困難な場合もあります。

適切な補償を受けるためには、交通事故に詳しい弁護士のサポートが有効です。お困りの方は、ぜひHOPE法律事務所にご相談ください。