非接触事故とは?接触なしでも損害賠償が争われる理由とポイント
2025年7月24日 カテゴリー:交通事故

交通事故は通常、加害者と被害者の車両や身体が接触して発生します。しかし、接触がないにもかかわらず、当事者の一方が転倒や衝突、急ブレーキによって損害を被る場合があります。これが非接触事故です。
非接触事故では、通常争いにならない以下の事項が問題となることがあります。
- 運転行為と事故との因果関係
- 事故と損害の因果関係など
非接触事故に関する争いは多岐にわたります。特に、加害者の運転行為と事故発生との因果関係や、事故の過失割合、さらに事故と損害との因果関係などが問題となることが多いです。これらについて、順を追って説明していきます。
運転行為と事故との因果関係
例えば、道路を走行している際に、歩道を自転車で走っていた小学生が突然車道へ飛び出そうとし、それを避けるためにハンドルを切った結果、対向車と接触した場合です。
通常の事故であれば、加害者の運転行為によって接触が生じているため、因果関係が問題になることはほとんどありません。しかし、このような非接触事故では、
- 小学生の行動(道路へ飛び出そうとしたこと)
- 運転者が回避行動を取った結果発生した事故
この二者間の因果関係が争点となります。
因果関係が認められる場合
小学生が道路を横断しようとした場合、その行動によって事故発生の危険性が客観的に高ければ、小学生の行動と運転者が起こした事故との間に因果関係が認められます。
因果関係が否定される可能性がある場合
一方で、実際には小学生が横断しようとしたのではなく、歩道に落ちていた空き缶を避けるために一時的に車道側へハンドルを切り、すぐ歩道に戻った場合などはどうでしょうか。
このようなケースでは、
- 空き缶を避ける行為の危険性が低く
- 被害者の回避行動との因果関係が薄い
と判断される可能性があります。
さらに、缶を避ける動作が差し迫ったものではなく、また自動車との距離に余裕があった場合には、被害者が驚いて急ハンドルを切ったとしても、因果関係が否定される方向で判断されるでしょう。
過失割合への影響
このように、非接触事故では、
- 加害者の行為のタイミング
- 危険性の程度
によって、因果関係そのものが否定される場合もあります。また、因果関係が認められたとしても、通常の接触事故に比べ、加害者側の過失が軽減され、結果として過失割合も低く評価されることがあります。
事故と損害の因果関係
次に、事故と損害との因果関係について説明します。特に問題となるのが、非接触事故で回避行動を取った車両の乗車人が怪我をした場合です。
非接触事故では、加害車両と直接接触していないため、乗車人に加わる衝撃は、主にハンドルを急に切ったときの振動や急ブレーキによる衝撃となります。そのため、本当に事故によって怪我が生じたのかを判断するには、乗車人の座っていた姿勢や、お互いの速度、回避行動や急ブレーキの程度などを客観的に明らかにする必要があります。
また、仮に怪我が認められたとしても、通常の衝突事故と比べて身体に加わる衝撃が小さい傾向があるため、治療期間が適正かどうかをめぐって争いになることが多いです。
さらに、急ブレーキや急ハンドルを切った際には、車内の積載物が破損することもありますが、その損傷の有無は、車体に加わった衝撃の大きさや積載物の置き方によって異なります。このため、積載物の損傷に関しても意見が対立しやすいと言えるでしょう。
非接触事故では、車両同士が接触しないため、車体に衝突痕が残らず、事故の衝撃度を推測する手がかりがなくなってしまいます。
したがって、もし非接触事故に遭ってしまった場合には、ドライブレコーダーや付近の防犯カメラ映像があれば、必ず保全しておくことが重要です。また、事故直後の車両の位置関係を、手持ちのスマートフォンなどで撮影して記録しておくことも必要です。
警察による実況見分では、相手がどの位置でどのような運転をしたのかが非常に重要となるため、妥協せずにきちんと説明するようにしてください。加えて、車内の積載物についても、事故直後に撮影して状況を記録しておくことが望ましいです。もし怪我をしている場合には、事故当日かできるだけ早い段階で病院を受診し、非接触事故による衝撃で負傷したことを医師に伝えておく必要があります。
さいごに
交通事故賠償に強い弁護士法人HOPE法律事務所では、非接触事故についても事案ごとに問題点を丁寧に検討し、依頼者の方にわかりやすく説明いたします。
非接触事故で事故手続きにお困りの方は、静岡県全域対応の交通事故に強いHOPE法律事務所へぜひご相談ください。
