自転車事故の賠償責任|過失割合と保険について
2025年7月24日 カテゴリー:交通事故

交通事故というと、車同士の事故を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際には車やバイク、自転車、歩行者、さらには様々なマイクロモビリティが関わる事故が増えています。特に最近では、自転車と歩行者が衝突し、1億円を超える賠償責任が認められるケースも出ています。
自転車事故と一口にいっても、様々な問題があることから、今回は、原動機付自転車に該当しない、昔からの自転車、電動アシスト付自転車の過失問題、賠償問題について解説します。
過失割合の基礎知識については以下の記事も併せてご覧ください。
自転車の負う義務
自転車は道路交通法上「軽車両」に該当します。そのため、交差点における義務(法36条)や車両運行時の灯火義務(法52条)、酒気帯び運転の禁止(法65条)など、車両に関する規定が適用されます。ただし、自動車とは異なり、自転車特有の規制も定められています。
他方で、自動車などの車両とも同一ではなく、自転車の特有の規制もなされています。
- 歩道通行に関する特例(法63条の4)
原則として車道通行が義務付けられていますが、例外的に歩道を通行できる場合があります。 - 自転車運転者講習制度(法108条の3の4以下)
危険行為を繰り返した場合の講習義務。 - 並進の禁止(法19条)
特定の場合を除き、二人並んで走行してはいけない。 - 二人乗りの禁止(法57条の2、都道府県条例等)
原則として二人乗りは禁止されています。
自転車の過失割合
自転車の過失割合は、一般的に4輪車やバイクと比べると、交通弱者として有利に設定されることが多いです。
ただし、ロードバイクのように高速走行が可能な自転車で時速30km近くで走行していた場合には、通常よりも不利な過失割合が適用される可能性があります。逆に、歩行者と同じくらいの速度で走行していた場合には、歩行者に準じた過失割合が認められることもあります。
このように、事故時の状況によって判断が大きく変わるため、ドライブレコーダーや防犯カメラなどで事故当時の状況が再現できることが重要です。
自転車の賠償責任保険
自転車事故で特に問題となるのが、賠償責任保険への加入有無です。自転車でも運転方法によっては相当程度の過失を問われる可能性があり、実際に高額な賠償責任を負うケースもあります。賠償責任保険に加入していない場合には、こうした高額な賠償金を自己負担しなければなりません。
例えば、静岡県では「静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」により、2019年10月1日から自転車保険の加入が義務付けられました。最近購入した自転車であれば、購入時に店舗で保険加入を勧められていることが多いと思われますが、2019年以前に購入した自転車や、その後購入したものでも保険を更新していない場合は未加入の可能性があります。
もし、ご自身が自転車で事故に遭ってしまい、相手に賠償責任を負う場合には、今後の支払いのために賠償責任保険の有無についてまずは確認をしてみましょう。
- 自動車保険
- 火災保険
- 共済
- クレジットカードの保険
- 学校で加入する団体保険
- 自転車にTSマークが張ってある場合の加入保険
などで保障されていることがあります。
自転車事故でも、場合によっては1億円を超える賠償責任を負う可能性がありますし、そこまで高額でなくても数十万円から数百万円の賠償が必要になることも珍しくありません。金額としては、自動車事故と大差がないと言えるでしょう。
ただし注意点として、個人賠償責任保険には示談交渉サービスが付帯していないことが多く、事故に遭った際に保険会社による交渉サポートが受けられない場合もあります。
このように、自転車事故は自動車やバイクの事故と異なり、そもそも法律上車両としての扱いも独自であり、過失割合も自転車という軽量な乗り物であることや通行区分の特殊性により特別な考慮が必要となります。
また、賠償責任に関しても保険によるカバーの有無や、事故手続きを代行してくれる保険会社が居ないことが多いなどの特殊性があります。
まとめ
当事務所では、自転車事故における過失割合の判断、保険の加入有無の調査、示談交渉、事故手続きの代行までサポートしています。自転車事故に遭い、不安を感じている方は、静岡県全域対応の交通事故に強いHOPE法律事務所へぜひご相談ください。
