休業損害-給与所得者の場合

2025年7月17日 カテゴリー:休業損害

休業損害-給与所得者の場合

交通事故でけがを負ってしまうと、仕事を休まざるを得なくなることがあります。その結果、収入が減ってしまうことがあるため、「休業損害」として相手方に損害賠償を請求できる場合があります。

しかし実際には、どのような場合に休業損害が認められるのか、金額の算定方法はどうなっているのかといった点で多くの誤解や落とし穴があります。

この記事では、交通事故被害者の大半を占める「給与所得者(会社員など)」に焦点を当てて、休業損害の基礎知識をご紹介します。

休業損害の基礎的な解説は以下の記事をご覧ください。

休業損害を請求できるのはどんな場合?

休業損害を請求するには、事故によって実際に収入が減ったことが必要です。

たとえば、公務員が「病気休暇」を取得した場合、事故で休業しても給与が全額支給されることがあります。このような場合は休業そのものはあっても「損害」がないため、休業損害として請求することはできません。

休業損害証明書に記載される内容とは?

給与所得者が休業損害を請求するには、勤務先に「休業損害証明書」を作成してもらうのが一般的です。この書類には、以下のような情報が記載されます。

休業損害証明書の記載される内容

  • 事故前3か月の給与額
  • 休業した日数
  • 休業中の給与支給の有無

ここで注意したいのが、有給休暇を使って休んだ場合でも休業損害として請求が可能だという点です。会社には、有給使用の事実を必ず記載してもらうよう依頼しましょう。

また、事故とは無関係の理由で欠勤した日について、誤って「事故による休業」と記載されてしまうケースもあるため、完成した証明書は必ずご自身で確認してください。

休業損害の計算式と“落とし穴”

休業損害は、基本的に以下の計算式で算出されます。

休業損害の計算式

休業損害=休業日額×休業日数

問題は、「休業日額」の算出方法です。

保険会社は、事故前3か月の給与総額を90日で割って1日あたりの金額を出すことが多いですが、これは本来の労働日数ではなく休日も含めた日数で割っているため、1日あたりの金額が低くなってしまいます。

労働契約上、休日は労働義務を免除され、実労働日を対象に給与が支払われているため基本的には、3カ月の総収入を「実労働日」で割ることが妥当です。

計算例:実労働日数で計算するとどうなる?

前提条件

  • 事故日:10月1日
  • 休業期間:10月1日〜31日(実労働日数21日)
  • 7〜9月の給与総額:90万円
  • 7〜9月の実労働日数:60日(週休2日制)

休業損害:保険会社の算定と弁護士の算定の比較

このように、弁護士が採用する適正な方法で計算すると、約1.5倍の差が出ることもあります。

保険会社の提案は必ずしも「適正」ではない

保険会社は、支払い額をできるだけ抑えたいと考えているため、自ら不利になるような計算方法は用いません。

適正な休業損害を受け取るためには、保険会社の計算方法をそのまま鵜呑みにするのではなく、専門的な視点から見直す必要があります。

まとめ:休業損害が気になる方は弁護士に相談を

交通事故による休業損害は、正しい知識がなければ大きな損をしてしまう可能性があります。特に給与所得者の場合、証明書の取り扱いと日額の算定方法が重要なポイントです。

休業損害について不安のある方は、交通事故に強い法律事務所に早めに相談することをおすすめします。

静岡で交通事故に関するご相談は、HOPE法律事務所までお気軽にご相談ください。