休業損害-主婦(家事従事者)の場合

2025年7月17日 カテゴリー:休業損害

休業損害-主婦(家事従事者)の場合

交通事故の被害にあった専業主婦や兼業主婦の方でも、「主婦休損(主婦としての休業損害)」として賠償を受け取れる可能性があります。この記事では、その考え方認定のポイントについて、具体例を交えてわかりやすく解説します。

休業損害とは?

交通事故によりけがを負い、治療のために仕事を休まざるを得なくなった場合、その間の収入減を補うのが「休業損害」です。

たとえば、会社員であれば、仕事を休んだことにより給与が支払われなかった損害が該当します。

休業損害の基礎的な解説は以下の記事をご覧ください。

では、給与をもらっていない専業主婦の場合はどうでしょうか?

主婦でも休業損害が認められる?

専業主婦は収入がないため、一見すると休業損害が生じないように思えます。

しかし、交通事故実務では、専業主婦やパートタイム勤務をしている「兼業主婦」であっても、「主婦休損」として休業損害を請求できるケースが多くあります。

「主婦休損」が認められるための要件

主婦休損を請求するためには、「他人のために家事労働を行っている人(家事従事者)」であることが必要です。

例えば、以下のような場合に認定が争われることがあります:

認定が争われる事例

  • 子どもがいない内縁関係の同居者
  • 子どもがおらず、配偶者が単身赴任している
  • 配偶者の親と同居し家事を分担している
  • 女性が働きに出て、男性が家事を担当している(男性主夫)

これらのケースでは、家事分担の実態を証拠により示し、保険会社や裁判所に家事従事者であることを認めてもらう必要があります。

主婦休損の1日あたりの金額(基礎収入)

主婦休損が認められた場合、その金額は「基礎収入」をもとに計算されます。この基礎収入としては、一般的に「賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均賃金」が使われ、日額およそ1万円前後となることが多いです。

ただし、個別事情に応じて調整が入ることもあります。以下のようなケースでは、金額が変動する可能性があります

認定が争われる事例

  • 高齢夫婦の世帯
  • 他に従たる家事従事者がいる
  • 兼業主婦
  • 男性主夫

このような場合、全年齢平均の金額の何割かとされることもあり、なるべく不利益を受けないように主張を組み立てることが重要です。

争点となる「休業日数」の立証方法

主婦休損では、「何日分の休業があったか」という日数の認定が大きな争点になります。
給与所得者のように出勤記録がないため、事故によって家事がどの程度できなくなったかの証明が難しいからです。

そのため、以下のような事情をもとに、多角的に主張・立証していく必要があります。

休業日数の立証方法

  • 事故の内容(被害の大きさ)
  • 事故前にどんな家事をしていたか
  • ケガの内容や治療経過(医療記録)
  • 通院方法(徒歩か車か)
  • 家族構成(家事の必要性)

このような立証方法を基本として、現実に通院した日数を基準とする方式、症状固定までの通院期間をもとに支障の割合を遁減させていく方式などがよく採用される方法だと思います。

主婦休損の金額はケースによって大きく異なる

主婦休損は、ケースによって認定額の幅に非常にバラつきがあり、事故の規模や、相手保険会社の傾向、傷害の程度、示談交渉か裁判上の認定かによって認定金額にかなりの差がでます。

場合によっては、裁判を行うとかなり主婦休損が減少してしまうケースなどもあり、戦略的に示談を行うべきケースも一定程度存在します。相場を見誤らないように、交通事故案件の扱いが豊富な法律事務所に相談することをおすすめいたします。

まとめ:主婦休損の請求には専門的な判断が必要

専業主婦や兼業主婦であっても、交通事故による家事労働の支障が認められれば、「主婦休損」として休業損害を請求できる可能性があります。

ただし、家事従事者であることの認定や、基礎収入・休業日数の算定には複雑な判断が必要で、個別事情によって大きく結果が変わることもあります。適正な賠償を受けるためには、実態に即した主張と立証が重要です。

主婦休損について不安のある方は、交通事故に詳しい法律事務所に早めにご相談されることをおすすめします。

静岡でのご相談は、HOPE法律事務所までお気軽にお問い合わせください。