付保が望ましい特約~自動車保険の内容①~

2023年9月13日 カテゴリー:自動車保険

交通事故に遭うと思いもよらない支出を強いられます。そのリスクに備えるのが自動車保険であり、各種特約になります。そこで、交通事故に関わる弁護士目線から付保されているといいなと思う保険・特約をお話させていただきます。
1 弁護士費用特約
業界の回し者といわれてしまうかもしれませんが、弁護士費用特約は保険料の割に補償が厚い特約となります。毎年のように特約保険料が上がっているのは、有用性を表していると思います。大事なのは、弁護士に対する費用が補償されることではなく、弁護士が弁護を行う上で必要になる調査費用又は実費が補償されることです。
ドライブレコーダーの復旧(数十万円)、協力医の医学鑑定書(数十万円)、裁判所を利用する際の印紙代(数万~数十万)といった付随費用が補償されるのは非常に弁護の幅を広げます。
正直弁護士の費用が一番安いのではないかと思う時もあるくらい、弁護付随費用の方が高くつくときがありますので、特約加入を強くお勧めします。
2 レンタカー特約、対物超過特約、車両保険、全損時諸費用特約、人身傷害保険
表題の特約は、全部つけておきたい特約です。4つ目までは、車両損害に関する特約のため、事故に遭えばほぼ利用が検討される保険で有用性も高いと思います。
レンタカー特約は、故障15日、事故30日を上限に、1日の設定レンタカー費用が補償されるという内容が多いと思います。相手の保険会社が認めるレンタカー期間が短いことから(買替2週間、修理3週間などといわれます)、過失や買替で少し悩んでしまい、事故から時間が経過すると、レンタカーの引き上げを迫られてしまいます。また、買替車両の納車に時間がかかるようになりましたので、レンタカー特約がないと納車までの間利用できる車が無い場合が出てきてしまいます。
対物超過特約は、自分ではなく、相手の車が全損(事故時の時価と修理額を比べて修理額の方が大きく、法律上賠償義務が時価額まで限定される場合指します。)の場合に、全損時価を超える修理費を相手に支払うことで争いを早期に解決する機能を果たします。事故の争いから早期に解放されるという意味で意外とつけていてよかったと感じる特約です。
車両保険は、特約とは少し違いますが、自身の車両損害について設定した車両保険の金額まで修理費や時価を保障して貰える保険になります。車両保険は、自分にも過失がある程度生じてしまう事故であったり、大きな事故に遭い時価を超える修理費がかかる場合などに、真価を発揮する保険です。車両新価特約も、修理費用が車両新価価格の50%を超えると設定された車両新車価格の支払を受けられるものです。ともに、仕事や生活である程度走行される方にはあったほうが良い保険・特約だと思います。
全損時諸費用特約は、事故で車両が全損となってしまった場合に、廃車費用や買替の諸費用について車両保険金額の10%又は設定上限額10万円が多いです)のどちらか低い方が補償される特約です。この全損時諸費用特約のいいところは、この補償を受けても、事故の相手保険に対して、「さらに」買替諸費用を請求できるという点です。この点は、自分の保険担当者も教えてくれませんし、交通事故に詳しくない弁護士さんは請求できることを知らない場合もあります。
最後に、二輪車(自転車を含む)を乗られている方の人身傷害保険が挙げられます。二輪車で事故に遭う場合、ほとんどのケースで双方に過失が出ます。追突事故のような形は少ないと思います。そして二輪車で事故に遭うと怪我が重くなりますが、過失がある場合、人身傷害保険がないと過失により補償が激減してしまう可能性があります。二輪車に人身傷害保険を付けると保険料がかなり高くなりますが、事故に遭った時の補償を考えると他の補償を抑えてでも人身傷害保険に入っておきたいところです。
以上、独断によるお勧め保険・特約になります。