通院方法①

2023年8月23日 カテゴリー:通院方法

交通事故によって怪我を負ってしまうことがあります。
怪我をしたときには、その治療のために治療施設へ通院することになりますが、身体のことや事故の賠償という点からは望ましい通院の仕方、望ましくない通院の仕方がありますので紹介したいと思います。
まず、事故により怪我を負った場合には、原則として医師による診断を受ける必要があります。医師免許有資格者による診断が無い場合には、後に受傷を巡って争いになってしまいます。治療に対する色々な信条や考え方はあると思いますが、事故の治療費を払うのは自賠責保険や任意保険ですので「保険制度」からの支払をスムーズに受けるためにそこはルールに従ったほうがよいと思います。
次に、整形外科と接骨院の通院に違いがありますかとの質問をよく受けます。
慰謝料を算定するための通院実績という意味では、どちらに通院しても1日分の通院として評価されます。ただ、後遺障害の申請をする場合には、後遺障害診断書を作成するのは医師ですので、整形外科への通院が多い方がより充実した診断書の内容が望めます。他方で、接骨院・整骨院では、患部のみだけではなく、周囲筋にアプローチをすることで可動域を広げ、受傷による可動制限を緩和してくれるため治療実感を得られやすいというメリットがあります。
要は、どちらの通院にもメリット・デメリットがあるので、その方の治療の目的、就業状況、家庭の状況などに照らして選択していくことが大切だと思います。
また、通院の回数や頻度をどうしたらよいかという質問を受けます。
結論として症状に応じた通院を行うのが良いということになります。抽象的ですので誤解を恐れずに具体化しますと、外傷治療の一般論として、受傷直後が一番症状が強く、時の経過によって症状が緩和していきますので、受傷間もない時期は通院頻度が多く、症状の緩和に従って通院頻度が漸減していく通院方法が自然だと思います。保険会社からは、受傷時から通院頻度が変わらず過密な場合(毎日通院)や、受傷直後から過少通院(週に1回など)の場合には、治療による効果が上がっておらず治療効果のない状態=症状固定として保険の早期打ち切りを招いたり、受傷直後より通院が少ないということは通院の必要性を感じていない=症状が軽微として、保険の早期打ち切りといわれてしまったりします。
特殊なご相談に、鍼、カイロ、温泉、整体などの治療を行いたいというのもありますが、原則として医師の指示がないと保険制度での支払いは期待できません。保険制度は皆さんの保険料を使って行うことから、科学的に治療効果が検証できる必要があり、そういった意味で治療効果に個人差の大きい上記治療については現時点では医師の指示がないと保険制度の対象になりにくいというのが現状です。