人身傷害保険とは?補償内容や利用するメリットなどを解説
2025年8月20日 カテゴリー:自動車保険

人身傷害保険は、自動車を運転する人の多くが自動車保険の特約として加入している保険です。相手が無保険であっても、人身傷害保険に加入していれば、相手が任意保険に加入していた場合と同等の補償を受けられます。
この記事では、人身傷害保険とは何か、人身傷害保険の補償内容という基本的な内容を説明したうえで、人身傷害保険を利用するメリットを解説します。交通事故に遭って人身傷害保険を利用すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
人身傷害保険とは?
人身傷害保険とは、契約車両に乗っている運転者や同乗者が交通事故で怪我をしたり、亡くなったりした場合に、治療費や休業損害などを補償してくれる保険です。
人身傷害保険は、多くの場合、自動車保険の特約として付帯されています。損害保険料率算出機構の調査によると、自家用普通乗用車の人身傷害保険加入率は81.7%となっています(2023年3月末時点)。
人身傷害保険の最大の特徴は、契約者の過失の有無・割合を問わず補償を受けられることです。
通常の場合、運転者に過失があると過失割合に応じて受け取れる賠償金の額が減額されます。たとえば、300万円の損害が生じていたとしても、3割の過失があると受け取れる賠償金の額は210万円となります。この際、人身傷害保険を利用すると300万円満額の補償を受けられる可能性があるのです。
人身傷害保険の補償内容
ここでは人身傷害保険の補償対象となる事故、項目について詳しく解説します。
補償対象となる事故
人身傷害保険には、補償の範囲に応じて「車内のみ補償型」と「車内+車外補償型」の2つの種類があります。それぞれのタイプで補償対象となる事故は、次のとおりです。
| 車内のみ補償型 | 車内+車外補償型 | |
| 契約車両(乗用車)の事故 | 補償対象 | 補償対象 |
| 他の車両に同乗者として乗車中の事故 | 補償対象外 | 補償対象 |
| 歩行中などの事故 | 補償対象外 | 補償対象 |
「車内+車外補償型」の場合、契約車両に乗車しているときだけでなく、他の人が運転する車両に乗車中の事故や歩行中の事故、自転車を運転中の事故まで幅広く補償対象となります。
相手が不明のひき逃げ事故も補償対象となるため、ひき逃げされたうえで一切の賠償を受けられないという最悪の事態を避けることができます。
補償対象となる項目
交通事故で怪我をした場合に人身傷害保険で補償対象となる項目は、次のとおりです。
- 治療費
- 入院雑費
- 交通費
- 休業損害
- 入通院慰謝料など
また、後遺障害を負った場合には、逸失利益や後遺障害慰謝料など、死亡した場合には、逸失利益や死亡慰謝料、葬儀費用などの補償も受けられます。
つまり、人身傷害保険に加入していれば、基本的には加害者側の保険会社から賠償金を受け取る場合とほぼ同等の賠償金を受け取れます。ただし、慰謝料の金額については、いわゆる「任意保険基準」となる点には注意が必要です。弁護士に手続きを依頼した場合でも、弁護士基準での補償を受けることはできません。
また、人身傷害保険の名のとおり、車両や携行品などの物損は補償対象外です。
人身傷害保険を利用するメリット
人身傷害保険を利用するメリットとしては、次のものが挙げられます。
- 加害者が無保険でも保険金を受け取れる
- 被害者に過失があっても、無過失時と同等の保険金を受け取れる
- 自損事故でも保険金を受け取れる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
加害者が無保険でも保険金を受け取れる
人身傷害保険を利用すると、加害者が任意保険に加入しておらず加害者から賠償を受けられない場合でも、相手が任意保険に加入していた場合と同等の保険金を受け取れます。
加害者が任意保険に加入しておらず、賠償金の支払能力もない場合、被害者としては泣き寝入りせざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。しかし、人身傷害保険を利用すると、治療費や慰謝料、休業損害などを自身が加入する保険会社から受け取ることが可能です。
被害者に過失があっても無過失と同等の保険金を受け取れる
「人身傷害保険とは?」の項目でも説明したとおり、人身傷害保険を利用すると、契約者の過失の有無・割合を問わず無過失の場合と同等の保険金を受け取れます。
交通事故の被害者であっても、過失があるとその分だけ受け取れる賠償金は減額されてしまいます。また、加害者と過失割合について争いがあると、賠償金を受け取れる時期が遅れることもあります。
人身傷害保険を利用すると、被害者に過失がある場合や過失割合の交渉が完了していない段階であっても無過失の場合に加害者側の保険会社から支払われるのと同等の補償を受けられます。
自損事故でも保険金を受け取れる
人身傷害保険は、損害賠償を請求する相手方がいない場合でも利用できます。つまり、自損事故・単独事故の場合でも利用可能です。
自損事故・単独事故の場合には、自賠責保険への請求もできないため、人身傷害保険を利用しなければ自身の損害を補填することはできません。
まとめ
人身傷害保険は、相手方が無保険の場合や自分自身にも過失がある場合などに有効活用できる保険です。利用しても自動車保険の等級に影響がないため、利用できる場面では積極的に利用することをおすすめします。
ただし、人身傷害保険で受け取れる保険金の金額は、利用のタイミングや加害者側との交渉の状況によって変動することがあります。
ご自身の事故で人身傷害保険を使うべきかどうか、また、より多くの保険金を受け取るためにはどのように手続きを進めればよいか迷っている方は、ぜひHOPE法律事務所へご相談ください。
