自転車の交通事故ついて
2025年2月7日 カテゴリー:交通事故
交通事故は、車と車だけではなく、車、バイク、自転車、歩行者、そして最近様々なタイプのマイクロモビリティによる事故がニュースとなっています。特に、近年、自転車と歩行者の事故で、場合によっては1億円を超える賠償責任が認められる事故も見られるようになりました。
そこで、今回は、自転車による事故について触れたいと思います。
まず、「自転車」も、道路交通法上の「軽車両」に該当することから、交差点における他の車両との関係で一定の義務を負ったり(法36条)、車両運行時の灯火(法52条)、酒気帯び運転等の禁止(法65条)などの車両に関する規定の適用を受けます。
他方で、自動車などの車両とも同一ではなく、自転車の特有の規制もなされています。
自転車事故と一口にいっても、様々な問題があることから、今回は、原動機付自転車に該当しない、昔からの自転車、電動アシスト付自転車の過失問題、賠償問題について説明します。
自転車の過失割合は、4輪自動車、自動2輪車と比較して交通弱者として有利に過失割合が設定されていることが多いです。もっとも、自転車も、過失割合を定めるにあたっては、通常の速度(時速15km程度)で走行していることを前提としていることから、高速走行に適したロードバイクなどで時速30kmに近い速度で走行している場合には、過失算定上通常より不利益に扱われる可能性があります。また、それとは逆に、歩行者と同視できる速度、状況にある場合には、歩行者に準じた過失割合で算定されることもあります。いずれにしても、個別の運転状況を考慮するには、当時の事故状況がドライブレコーダーや防犯カメラなどである程度再現できる必要があります。
自転車事故の問題で切実なのが、賠償責任保険への加入の有無となります。
自転車であっても、運転態様によっては相当程度の過失を負担する可能性があります。
冒頭にも記載したとおり、自転車であっても高額の賠償責任を負う場合があります。その場合には、その賠償責任をカバーする個人賠償責任保険に加入していないと、自らの負担で賠償責任を果たさなければなりません。
当事務所のある静岡県では、「静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」により、2019年10月1日より、自転車の賠償責任保険の加入が義務付けられています。同年以降に購入した自転車は、店舗において賠償責任保険の加入をすることが多いとは思いますが、同年以前に購入した自転車や、同年より後に購入した自転車であっても賠償責任保険を更新していない場合には、対応できる賠償責任保険がないことになります。
もし、ご自身が自転車で事故に遭ってしまい、相手に賠償責任を負う場合には、今後の支払いのために賠償責任保険の有無についてまずは確認をしてみましょう。
代表的な賠償責任保険は、個人賠償責任保険といいまして
・自動車保険
・火災保険
・共済
・クレジットカードの保険
・学校で加入する団体保険
・自転車にTSマークが張ってある場合の加入保険
などで保障されていることがあります。
冒頭の記載のように、場合によっては1億円を超える賠償責任を負う可能性はありますし、そこまでの責任ではなくても数十万円~数百万円の賠償責任を負う可能性は自動車事故とそう大差ありません。
また、個人賠償責任保険は、保険会社による示談交渉サービスが付保されていないケースが多く、事故に遭ってしまった場合でも、ご自身の保険会社の協力を得られないケースが多くなります。
このように、自転車事故は、自動車やバイクの事故と異なり、そもそも法律上車両としての扱いも独自であり、過失割合も自転車という軽量な乗り物であることや通行区分の特殊性により特別な考慮が必要となります。また、賠償責任に関しても保険によるカバーの有無や、事故手続きを代行してくれる保険会社が居ないことが多いなどの特殊性があります。
交通事故賠償に強い弁護士法人HOPE法律事務所なら、事案ごとに自転車事故の特殊性を判断し、個人賠償責任保険の付保の有無の調査や示談交渉、事故手続きの代行についてサポートいたします。そのため自転車事故にあって、不安を感じられている方は、静岡(静岡市、浜松市、沼津市、焼津市、藤枝市、富士市など全域対応)の交通事故に強いHOPE法律事務所にご相談いただくのをお勧めいたします。